日本酒特区第一号として認定

2014年に運営をはじめた学校蔵は、実は2019年までリキュール免許で製造を行っていました。尾畑酒造には清酒製造免許がありますが、学校蔵は約8キロ離れているため、清酒を造るには新たな免許が必要だったのです。そこで、リキュール免許を使い純米酒を製造してから佐渡産の杉材を漬け込み、樽酒風味のリキュールとして出荷していました。同時に、行政サイドに相談を続けながら日本酒製造の実現を目指してきました。そんな中、内閣府が2019年、清酒の製造場で製造体験することで地域の活性化を図る「日本酒特区」を新設。これにより、特区では「清酒の製造免許をもつ者が地域活性化のための日本酒製造体験のための施設を増設する場合に、既存の製造場とひとつの製造場とみなす」と規制緩和されました。その後、佐渡市が全国ではじめての特区として認められ、尾畑酒造が佐渡税務署より5月10日付けでその適用の第一号として認定されました。
 尾畑酒造は廃校を酒蔵として再生し、自然再生エネルギーを導入した循環型の酒造りを行いながら酒造りの学びの場を提供しています。これら地域と酒蔵が一体となって活性化に貢献することで、特区認定に至りました。